野沢温泉村の根曲竹(ねまがりだけ)

 長野の野沢温泉村へ根曲がり竹を取りに行く。ここのところ熊に襲われたというニュースが続いていたので少し心配だった。宿の女将さん曰く、山で熊に遭遇する危険性は昔からあるが、熊は木に匂いを擦り付けながら移動しているので、近くにいる場合はものすごい獣臭がして分かるのだそうだ。うっかり近づいて「うーっ」と唸られたこともあるそうだ。今回も(私は一日遅れの参加で、タケノコ掘りには出かけられなかったが)無事たくさん収穫できたそうだ。ゼンマイ、わらび、こごみなどの山菜料理と合わせて郷土料理を振舞っていただいた。根曲竹は鯖缶と合わせて味噌汁仕立てで頂くそうで、煮干しやカツオの出汁は取らず、たけのこの茹で汁を使った味噌汁。あっさりしているが味わい深い。笹の葉に乗せたお寿司も郷土料理で、ナッツの粉末と鯖がトッピングされている。お箸を使わず笹を手に持ち、最後に紅生姜で口の中をさっぱりさせる順序で端っこから口をつけて食べる。この後、山菜とたけのこのおこわをいただき、温泉饅頭を平らげる。午後は野沢温泉に浸かったり、足湯や「茹釜」で温泉卵を作ったり、散策など、各々で楽しむ。冬は雪深くなる野沢温泉村、街を流れる川も清らかで、紫陽花、木苺、風鈴草など、季節の花が路地に咲いていて、まさに心の洗濯をさせてもらった。宿の人も村の人も、皆いたわり合う家族のようだったさー。

 で、夜は元長野在住の皆さんのお勧めで、小布施ワインを出してくれるイタリアンに。ここは今年最も感動した食事だった!長野産の野菜を使った前菜、ハマグリとバジルのパスタ、トリュフとキノコのフェトチーネ、お肉の盛り合わせ、カタラーナと言うクレームブリュレのようなアイスクリームなど、デザートも豊富。シェフは、お料理が好きでたまらない研究家のような職人なんだろうと思った。ワインは詳しくないが、ご一緒したワイン通たちが「深い」とか「新しい」とか「◯◯のような」と語っていたのですばらしいのだと思う。笑 シェフ、ご馳走さまでした!LA GATTA 長野新幹線駅から徒歩5分でした。https://www.facebook.com/LAGATTAnagano/