<インドについてのトリビア的備忘録>

【はじめに】
子どもの頃はじめて見たインド人はタイガー・ジェットシン。サーベルを振回す「インドの猛虎」と呼ばれたプロレスのヒール役。で、その後長い間、私のインド人に対する誤解を招く原因となる。
人口12.5億、その4割が我が道を行くB型。生真面目なA型4割の日本で育った私にとって、インドはちょっと得体の知れない国でした。
振返ればこの15年、東京のリトルインディア西葛西ほか、インド人率の高いエリアを国内外と転々。いまは
インド人研究者の職場で事務をしています。彼らのおかげでインド人全員がタイガージェットシンのようではないことや(当然だけど)、地域によってカレーの種類が異なること、紙幣には17もの公用語が書かれていること、また、肌の色も北に行くほど白く、「うちの奥さん東北出身、色白美人♡」と誇らしげにいうことなど、目からウロコが落ちることばかりです。 このコーナーでは、そんなインドについての超私的備忘録をしたためたいと思います。

【スパイスの宝庫ケララ州】

【スパイスの宝庫・南インド ケララ州】

 インドに帰国する友人の送別会で、出身地ケララの話になる。日本でもスパイスカレーで知名度が上がってきたケララ州。ケララはアラビア海に面し、内陸部には高い山があり、モンスーンの雨のおかげで、たくさんの種類のスパイスが採れる。一般家庭では「庭から胡椒採ってきて。カレーリーフもね」という感じで、日本のネギのように身近な存在らしい。手足を怪我したときは、止血・殺菌剤としてターメリックの粉末を傷口に塗られたそうだ。  

 で、むかしバスコ・ダ・ガマさんが胡椒を求めてやって来たのが、ケララ海沿いの街。山で採れたスパイスは海沿いの倉庫に降ろして乾燥させ、貿易船に乗せてヨーロッパへ。その倉庫、いまはカフェやアンティークショップに改装されたお洒落スポットだそう。

 スパイスやハーブで施術する「アーユルヴェーダ」の発祥もケララとか。同じインド人でも他の地域出身者はアーユルヴェーダについて全くしらない。頭に油を垂らすと聞いて「reallyー?げーっ」と叫んでたし、それがごま油と聞いたときは「キモチわるー」と背中を震わせていたのが可笑しかった。

 そのスパイスの運搬船、いまは観光船として使われ、川の支流を行き来して宿泊もできる。その名も「house boatで行くbackwater cruise」。インドの若いカップルの新婚旅行先としても人気らしい。私も、のんびりしたケララに行ってみたい。

【インドの言伝え Jhia don't give Ghee.】

【インドの言い伝え】Jhia don’t give Ghee.  

 ある日カリさん家のギーが切れました。ギーはインド料理やお菓子に欠かせない必須アイテムの油。そこで結婚式のためインドに帰省中のチャンドラさんに「ギー買ってきて」とメール。ところが「夫婦の絆がオイルで滑るからダメダメ」とあっさり断られてしまいました。チャンドラさんの出身地・アンドラプラデシュ州には、”Jhia (一般的な女子の名前)don’t give Ghee.”「女子嫁入りの際にGhee()を持たせるな」、という言い伝えがあるそうです。お嫁入りの際、両親が持参金や生活必需品を娘に持たせるらしいですが、油は新婚さんにはNGアイテムだそうです。結局カリさんはギーをネットオーダー。チャンドラさんが日本に戻る前に手に入ったそうです。笑

で、別の日、私はカリさん家のお嬢さんの誕生日にハンカチをプレゼント。奥さんは少し複雑な表情で「ハンカチはお別れを招くからお返しを受け取ってほしい」と、別の日小さなロウソクのギフトを頂きました。お返しは、小さなものなら何でもよいらしいです。

また、お嬢さんかわいいねと言った時は、可愛いと言われて人の妬みを買うと、子供に災いが起こるから器量はあまり褒めないの、と言っていました。地域によっては褒められた後におまじないをして清めるとか。個人差や地域性はあるかもしれませんが、まだ20代の若い世代が言い伝えを守っているのは、何だかいい感じでした。「食べてすぐ横になると牛になるよ」と言っても気にしないうちの息子とは大違いです。。笑

【誕生日と星座占い】

【誕生日と星座占い】

私のはじめての外国人の友達はインド人 Renu(レニュー)1999年頃、息子の学校のママ友です。当時インド領事館のそばに住んでいたのでご近所さんはインド人だらけでしたが、彼女はサリーよりミニスカートが好きだったり、いきなり「星座何座?」と日本人みたいに聞いてきたり印象的でした。星座同士の相性も本格的に詳しくてびっくりしました。先日、職場のカリさん家の魚座のお嬢さんの誕生日当日、「おめでとう!」というと、「あ、今年は今日じゃない、別の日」だとか。プライベートや宗教的な行事はインド本国同様、旧暦に従うそうです。余談ですが、結婚式のために帰国するカリさんに花嫁さんどんな人?と尋ねたときは「まだ会ってない」と言っていたのも驚きでした。結婚前の占い師による相性占いはマッチング率が高かったそうです。

日本なみに占いとか占星術が話題になっておもしろがっていましたが、あちらがオリジナルかも。

【結婚指輪と不浄の左手】

【結婚指輪と不浄の左手】

チャンドラさんの結婚1周年記念にお呼ばれしました。ゲストは13人、オールインド。そのうちご夫婦が4組。女性はいつも裸足であぐらをかいて食べてらっしゃるのですが、フト、みなの左足人差指のトゥリングに注目していたら、「コレ、結婚ゆびわ」と聞いてびっくり。「足の指に結婚指輪?」。ヒンズー教の「不浄の左手」は知っていましたよ。おトイレで左手を使い、ごはんは右手で食べるんですよね。 大事な結婚指輪はおトイレの左手につけないのね。じゃ、右手じゃダメなの?と思うけどこれは聞けませんでした。

「独身男性はね、まず女性の足の指みて既婚か未婚かみるんだよー♡」と嬉しそうに話すチャンドラさんは、奥さんに殴られていました。 ヨメ強し。

*後でネット検索したら、右手に結婚指輪を入れていたとか、男性も指輪していた、という目撃情報など諸説ありましたが、正確なことはわかりませんでした。。。残念!

「あくちゃりー 日本ではじめてナンたべた」と、チャンドラさんは言った。

「Actually, 日本ではじめてナンたべた」。。
昨年末、職場の納会でインド人研究員チャンドラさんは言いました。
インド料理って、ナンとカレーじゃないの?」驚いているのは私だけ。。彼の出身地・南部アーンドラ・プラデーシュ州の主食はお米。チャパティというクレープのような丸いパンはインド全域で食べるそうですが、ナンは主に北部のもので、しかも特別な釜(タンドール)で焼くため、南部の一般家庭ではナンを食べないまま大人になる人もいるとか。なんというトリビア。。

【ナイルレストランのこと】

 

【ナイルレストランのこと】

「まじぇて食べて」はいまでもいわれるのかしら。そういえば、職場のインド人さんも、「ぜ」→「じぇ」に変換され、全然をじぇんじぇんと発音。大のおとながかわいく見えマス。

【こんなタイトルではじめますー】

 

 

語学テキストのパロディ。おこられるのかしら、コレ。