【スパイスの宝庫・南インド ケララ州】

インドに帰国する友人の送別会で、出身地ケララの話になる。日本でもスパイスカレーで知名度が上がってきたケララ州。ケララはアラビア海に面し、内陸部には高い山があり、モンスーンの雨のおかげで、たくさんの種類のスパイスが採れる。一般家庭では「庭から胡椒採ってきてー、カレーリーフもおねがいー」という感じで、日本のネギのように身近な存在らしい。子供の頃、手足を怪我したときは、止血・殺菌剤としてターメリックの粉末を傷口に塗られたそうだ。  

 で、むかしバスコ・ダ・ガマさんが胡椒を求めてやって来たのが、ケララ海沿いの街。山で採れたスパイスは海沿いの倉庫に降ろされ、そこで乾燥し貿易船に乗せてヨーロッパへ。その倉庫、いまはカフェやアンティークショップに改装され、ガイドブックを見ると、日本のベイエリア開発に似たお洒落スポットだった。

 スパイスやハーブで施術する「アーユルヴェーダ」の発祥もケララだそう。ちなみに同じインド人でも、他の地域出身の人たちはアーユルヴェーダについて、全然詳しくない。頭に油を垂らすと聞いて「reallyー?げーっ」と叫んでたし、それがごま油と聞いたときは「Eww ! キモチわるー」と背中を震わせていたのが可笑しかった。

 そのスパイスの運搬船、いまは観光船として使われ、川の支流を行き来して宿泊もできる。その名も「house boatで行くbackwater cruise」。インドの若いカップルの新婚旅行先としても人気らしい。私も、ディープやカオスのインドと別枠で(別枠ってなんだ?笑)、のんびりしたケララに行ってみたい。